「副業にチャレンジしてみたい」
「好き・得意を何かの形にして発信したい」
このように考えている方には、ECサイト運営の副業がおすすめです。ECサイト運営には、特殊なスキルや難しい構築工程は必要ありません。始め方が簡単なだけではなく、好きなことを収入に繋げられるのは大きな喜びになるはずです。スキマ時間の有効活用や独立への第一歩として、思い切ってECサイトに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ただし、副業として成功させるためには、ECサイト運営に特有の注意点に気を付けなければなりません。ノウハウを知らずにいきなりECサイトを開設すると、経営がうまくいかないかもしれません。
本記事では、副業EC事業について、徹底的に解説します。始め方や開業時の注意点など、ECサイト運営のコツを余すことなく網羅しました。初心者によくある質問にもお答えしていますので、ECサイト運営を初めてみたい方は必見です!
副業でECサイトを始める8つの手順
副業でECサイトを作る際には、難しい手順は必要ありません。主に、以下の7ステップでECサイトの運用が始められます。
- 何を売るかを決める
- コンセプトとターゲットを決める
- ネットショップ名を決める
- 出店形式を決める
- 取り扱う商品を仕入れる
- マーケティング戦略を検討する
- 開業届を出す
- 口座を開設する
何を売るかを決める
はじめに、何を売るECサイトにするのかを決めましょう。取り扱う商品・サービスのジャンルによって競合サイトの多さや購入者層が異なることから、今後の経営やマーケティングが違ってきます。
仕入れ先などすべてのプロセスに関わるため、何を取り扱うのかはよく検討してから決めるようにしてください。
また、販売予定のものがオリジナル商品か既製品を仕入れるのかによっても、ECサイトを始められるまでのプロセスや期間が異なります。どのような商品・サービスの販売なら自分にも取り組めるのかをあらかじめしっかりと考えておくことで、その後の構築ステップが進めやすくなるでしょう。
コンセプトとターゲットを決める
次に、ECサイトの運営方針となるコンセプトを決めます。あわせて、ターゲットとなる消費者層も決めましょう。コンセプトおよびターゲットは、その後の構築ステップや運営の軸になります。
軸をしっかりと定めないことには、方針がブレやすくなり、構築や運営がうまくいかない原因になってしまいかねません。
コンセプト・ターゲットをしっかりと定めておくことにより、固定客やファンの獲得が狙えます。運営者の理念や方針に共感する固定客やファンができれば、SNSなどで情報を拡散してくれるため、さらなる顧客開拓につながるという好循環です。
また、プチプラ商品なのか品質重視かなど、商品仕入の際の選定基準にも関わります。なぜこの商品を取り扱うのか、顧客にとってのメリットは何かなどを入念に考えましょう。
ネットショップ名を決める
続いては、ECサイトの名称を何にするのかを決めます。ネットショップ名とは、ECサイトの顔ともいえる重要な位置付けです。他者と被ると検索流入結果にも影響するため、オリジナリティあふれる名称を考えてください。
また、ネットショップ名は、覚えやすさ・検索のしやすさなど、消費者の立場から考えることも必要です。マーケティング戦略の視点からいうと、シンプルな名称のほうが宣伝しやすく、消費者にとって馴染みやすいといえます。
出店形式を決める
自らのECサイトの軸が定まったら、出店形式を決め、サイトを構築します。個人運営のECサイトとして主流の出店形式は、以下6つの方法です。
- ECモール
- フリマアプリ
- オークションサイト
- オリジナルサイト
- ASPカート
- SNS
手軽に副業を始めるなら、あらかじめ必要な機能が搭載されたプラットフォームをおすすめします。逆に、将来の独立を見越して本格的に取り組みたいときは、サイトの自作も選択肢のひとつです。
構築する際、ASPカートを利用すれば、ECサイトの基本機能は押さえつつ自由度の高いサイトを安価に制作できます。
近年は、FacebookやTwitterのショップ機能を利用したり、Instagramで商品画像とともに販売したりする作り方も増えています。SNS運用の知識が必要ですが、若者を中心とした販路を拡大していけるため、多くの顧客獲得が狙えるでしょう。
なお、個人運営のECサイトの構築方法についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
ECサイトの作り方6選|個人で構築する手順や立ち上げ方法の選び方も徹底解説
取り扱う商品を仕入れる
ECサイトを構築した後は、取り扱いジャンルやコンセプト・ターゲットをもとに、取り扱う商品を仕入れます。個人運営のECサイトにおける仕入先は、主に以下5つです。
- 卸問屋に発注する
- 仕入れサイトを利用する
- 実店舗で購入する
- メーカーや作家と直接取引する
- ドロップシッピングを利用する
なお、副業での仕入れ先としては、卸問屋や仕入れサイトの利用をおすすめします。実店舗での購入や直接取引は、時間と手間がかかるため、本業との兼ね合いによっては困難のためです。
また、ECサイトを始めて間もないうちは信頼性が低いことから、直接取引を断られるケースもめずらしくありません。初期から直接取引を考えている場合は、料金の前払いなど、相手に有利な条件を提示することが交渉成功の鍵となります。
ドロップシッピングとは、在庫を持たず、メーカーや卸業者への発注を代行する販売形式です。デッドストックが出ないため、商品の維持・管理にかかるコストが不要であり、幅広い商品を取り扱えるのがメリットだといえます。
ただ、ドロップシッピングでは仕入れ値の交渉ができません。大きな利益が出にくいうえ、在庫がないぶん顧客に対する柔軟な対応も困難です。
マーケティング戦略を検討する
出店準備があらかた整ったら、次は集客のためのマーケティング戦略を検討します。何の集客もせずただECサイトを開店するだけでは、思うような集客は見込めません。
個人ECサイトにおける集客手段として有効な方法として、以下3つが挙げられます。
- ネット広告
- SNS
- SEOコンテンツ
インターネット上に配信するネット広告は、一般消費者の目に触れやすいさまざまな場所で宣伝できることから、短期間での宣伝効果がある手法です。
広告の効果の分析も容易ですが、広告料の支払いが必要でコストがかかります。
SNSを利用したマーケティングは、ECサイトを個人で運営する方にとって最も手軽かつ低コストでできる宣伝方法です。成果が得られるまでにはある程度の運用期間が必要ですが、世界中のSNSユーザーに情報を拡散できます。ユーザーからダイレクトな反応を得られるため、今や大半のECサイトが運用しているマーケティング手法です。
ブログなどのSEOコンテンツによる集客には、専門的な知識を要するうえ、運用の手間がかかります。とはいえ、顕在層だけではなく潜在的な顧客にもアプローチできるうえ、軌道に乗れば長期的な集客効果が見込めます。
開業届を出す
ネットショップ開店から1カ月以内に、開業届を提出します。開業届の提出方法は、以下3通りです。
- 持参
- 郵送
- 電子申請
持参または郵送の場合、開業届の様式は税務署および公式サイトからダウンロードできるため、必要事項を記入して管轄の税務署へ提出します。e-Taxを利用すれば、インターネットから開業届を提出することも可能です。オンライン提出の際は、マイナンバーカードとICカードを読み取れる機器を用意してください。
なお、青色申告する場合は、開業届と同時に別途様式を提出します。
口座を開設する
本業の給与所得と分けて管理したいなら、専用の口座の開設が必要です。ECサイト出店に利用しているシステムによっては、指定の金融機関の振込手数料が無料になる場合もあるため、確認のうえ口座を開設すると良いでしょう。
原則として、一つの金融機関で開設できる口座は、一名義につき一口までです。開業の際に屋号を定めていれば、事業専用口座として利用できます。
副業でECサイトを始めるときにかかるコスト
副業でECサイトを開設する際にかかる初期費用は、最低10万円程度は必要です。なお、運営にかかる以下の経費によって、初期費用が異なります。
- ECサイトのプラットフォーム利用にかかる初期費用およびランニングコスト
- 販売手数料
- カード決済利用手数料
- 商品の仕入れ代
- 宣伝・広告代
一からECサイトを構築したり、外部に制作を依頼したりすると、初期費用と運用資金は数十万円〜数百万以上に上ります。
また、機能のコーディングやサイトデザインなど、専門的な知識の習得もしくは外注の費用も必要です。副業初心者がECサイトを自作する際には、ECモールやASPカート、SNSなどを利用することで、構築費用が比較的安価に抑えられます。
副業でEC事業を始める4つのメリット
EC事業は、副業初心者にもおすすめの副業です。その理由として、以下4つが挙げられます。
- 本業の余暇時間を収入に変えられる
- 趣味や特技を活かせる
- スキルアップできる
- 自分らしい働き方が見つかる
副業でECサイトを運営することで、経済面だけではなく気持ちの面でも張り合いが生まれるため、高いモチベーションを維持できるでしょう。上記それぞれのメリットについて、詳しく説明します。
本業の余暇時間を収入に変えられる
副業の最大のメリットは、本業の余暇時間を収入に変えられる点です。ほかのWeb制作系などの副業も人気ですが、スキルを要するうえ、業務をこなすために時間がかかります。
ECサイト運営なら、高度なスキルは基本的に不要です。常に見張っている必要もないため、スキマ時間を有効活用できるでしょう。
趣味や特技を活かせる
趣味や特技を活かした副業なら、自分の好きなことをしながら収入源にできます。通常は、好きなことを仕事にしている人ばかりではありません。
やりたいことがあっても、本業では難しいと感じている人も多いでしょう。また、努力して習得したスキルや資格が、仕事に活かせていない方も少なくありません。
副業でECサイトを構築すれば、自分の好きなことを商品化して販売できます。趣味のイラストや特技の音楽など、自分の「好き」を多くの人がら認めてもらうことで、大きな喜びを得られるでしょう。
スキルアップできる
ECサイトの運営から得た知識は、本業にも役立てられます。ECサイトが本業と関連する場合はもちろん、経理やネットショップ運営のノウハウ、マーケティングなど、さまざまな知識を得られるためです。
幅広い知識を身につけることで、本業でもキャリアアップを目指せるかもしれません。
自分らしい働き方が見つかる
副業として始めたネットショップでも、本業と同等以上の収入を得られるようになれば、将来的に独立も夢ではありません。独立すれば、仕事と余暇の時間を自由に設定できるため、自分の都合に合わせた働き方が実現します。
さらに、ネットショップ経営が軌道に乗った際は、一部の運営業務を代行などに外注するのもおすすめです。自ら行う処理が最小限になれば、自由な時間の使い方が可能になり、より自分らしい人生を送れるでしょう。
副業でECサイトを運営する際の注意点
ECサイトは手軽に収益化できてさまざまなメリットが得られる副業になりますが、デメリットが一切ないわけではありません。副業ECサイト運営には、次の3つのリスクがあることを把握したうえで始めなければなりません。
- 軌道に乗るまでに時間がかかる
- モチベーション維持が難しい
- 確定申告が必要な場合がある
デメリットを知らないまま、副業だからと軽い気持ちでECサイトを始めると「こんなはずでは……」と後悔してしまうおそれがあります。副業でECサイト運用を始める際は、上記のリスクをふまえたうえで構築に取りかかりましょう。
軌道に乗るまでに時間がかかる
ECサイトは、すぐに稼げるようになる副業ではありません。はじめのうちはなかなか売り上げが伸びず、儲からないばかりか赤字に苦しむこともあるでしょう。
売り上げをアップさせるためには、効果的なWebマーケティングと、定期的なネットショップのブラッシュアップが必要です。より使いやすいサイトを目指しつつ、広告、SNSなどを活用してコツコツと宣伝活動を続けてください。リピーターや固定客などのファンができれば、少しずつECサイト運営が楽になっていき、安定的な副収入になるでしょう。
モチベーション維持が難しい
副業ECサイトには、販売業に特有の華やかなイメージを抱いている方も多いでしょう。しかし実のところ、ECサイト運営の副業は、地味な作業の繰り返しです。
また、一人で作業ができるため、孤独感を抱きやすく、収益とモチベーションが維持できずにやめてしまう方も少なくありません。
モチベーションを保つためには、様々なセミナーや交流会への参加をおすすめします。同業者と交流することで、運営のノウハウや流行などの情報交換ができることもメリットです。人との交流を通し、顧客とのやり取りやトラブル対応に必要なコミュニケーション力やノウハウも身に付くでしょう。
確定申告が必要な場合がある
副業の開業届を出していなければ確定申告がいらないと考えている方も多いのですが、場合によっては申告義務があることに注意してください。
開業届の提出の有無にかかわらず、副業のECサイトで得た所得が年間20万円以上になると、事業所得または雑所得として確定申告の義務が生じます。
確定申告では、収入から必要経費を差し引いた額を申告し、それに応じた所得税を納めなければなりません。確定申告漏れが発覚すると、追徴課税や無申告加算税の対象となるため、特に副業でECサイトの運営を始めた年度は、所得額を間違いなく計算しておきましょう。
副業でECサイトを開設する前にチェックすべきポイント
副業でECサイトを構築する際には、法律の規定に関わる以下のポイントを必ずチェックしましょう。
- 本業の規則違反にならないかを確認する
- 「特定商取引法に基づく表記」が必要となる
違反によるペナルティを回避するためにも、上記項目を確認のうえ、ルールに則った運営を心がけてください。
本業の規則違反にならないかを確認する
ECサイトに限らず、本業で特定の会社や組織に勤務している方は、副業に関する規則の事前確認を済ませてから準備に取りかかりましょう。副業が解禁された2018年以降、副業を許可する企業が増えてきています。
とはいえ、いまだ認めていない会社も存在するため、自己判断で副業を始めるのはおすすめできません。例えば、公務員などの特殊なルールが規定されている職業では、原則として副業禁止です。
就業規則違反の場合、会社から何らかのペナルティを課されるおそれがあります。あらかじめ本業で副業を禁止する規定がないかをチェックし、必要に応じて許可を得る手続きを行いましょう。
「特定商取引法に基づく表記」が必要となる
特定商取引法第11条により、ECサイト運営者には「特定商取引法に基づく表記」をサイト内に記載する義務が定められています。具体的な掲載内容は、主に以下のとおりです。
- 販売責任者名
- 所在地
- 電話番号
- 商品・サービスの価格
- 支払い方法
- 商品引渡の時期
- 返品・交換に関するルール
上記のほか、取り扱いジャンルによっては、商品商法に関する記載義務も課されています。例えば、副業ソフトウェアやアプリケーションを取り扱う場合、動作環境と対応機種等の記載が必要です。
最近は個人情報を非公開のまま開設できるECサイトも増えてきています。なお、副業で個人情報を公開したくないなら、バーチャルオフィスの設置や電話代行サービスの利用などで対処が可能です。
副業でECサイト運営を成功させる5つのコツ
副業ECサイト運営を成功させるために、次の5つのポイントを押さえておきましょう。
- 自分の好きなことを商品にする
- 運営作業をルーチン化する
- 発送時期を固定する
- さまざまな方法で宣伝する
- 健康管理を徹底する
副業ECサイト運営は、効率的に儲けを生み出せる仕組みづくりと継続が不可欠です。ECサイトの運営がスムーズにするための方法とコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
自分の好きなことを商品にする
副業でECサイトを始めるとき、取り扱いジャンルや仕入れの選択に迷った際は「自分が好きかどうか」を基準にすることをおすすめします。
自分の趣味や特技を活かせるジャンルなら、売れる商品を見つけるのが楽になるためです。
ただし、手に入りやすい大量生産商品を取り扱う場合、個人の副業レベルでは社会的な信用度の高い大手企業が運営するECサイトにどうしても敵いません。
個人が副業でECサイトを運営するときの取り扱い商品・サービスは、ニッチなジャンルを狙ったり、限定商品など手に入りにくく希少価値の高い物を販売したりすると良いでしょう。
運営作業をルーチン化する
副業ECサイト運営をスムーズに行うためには、運営作業をルーチン化しましょう。ECサイトの運営には、定期的な商品の仕入れや在庫管理、ECサイトの保守・管理を要します。
また、本業のかたわらでECサイト副業をしていると、運営がおろそかになりがちです。利用者からの注文や問い合わせの対応が遅れてしまっては、使いにくいサイトとして情報が拡散され、消費者から避けられるようになってしまいかねません。
運営作業を日々のルーチンとして特定の時間帯に組み込んでおくことで、効率的な対応が可能になります。負担を最小限にして効率的にECサイトを運用したいときは、事務作業など一部業務のアウトソーシングも活用できる手段です。委託料はかかりますが、そのぶん空いた時間を有効活用できます。
発送時期を固定する
ECサイトを運営していると、商品を発送する際の品物の梱包や宛名の記入、配達の手配などもすべて自らの手でこなさなければなりません。顧客から注文を受けるたびに発送業務をこなすのは、非常に煩雑です。
発送する時期をある程度固定し、まとめて作業することで業務の手間が省けます。なお、発送のタイミングを定めた場合は、ECサイト内に注意事項として記載することを忘れないようにしてください。
さまざまな方法で宣伝する
効率よく集客するためには、自分のECサイトを宣伝する手段を並行運用しましょう。効果的なマーケティングを行わなければ、数多く存在する競合他社の中から自分のECサイトを選んでもらえません。
インターネット広告に加え、TwitterやInstagramなどのSNSを活用してリアルタイムで情報発信することで、数多くの人から興味を持ってもらえる機会が増えるでしょう。
副業ECサイトに関するよくある疑問
副業初心者の方からは、ECサイト運営に関して次のような疑問や質問がよく寄せられます。
- 副業でECサイトを始めるのは大変?
- ECサイトとネットショップのちがいとは?
- 開業届は必須か?
- 本業にバレずに副業のECサイトを運営できる?
それぞれの見解や回答を以下でお答えしますので、ECサイト副業が気になっている方は要チェックです!
副業でECサイトを始めるのは大変?
ECサイトの運営は大変ではあるものの、知識やノウハウを学ぶことで、個人の副業でも十分運用できます。構築・運用のコツは、インターネットや本、オンラインコミュニティから得られるので、うまく活用しつつスキルを身につけましょう。
また、いきなり本業をやめてネットショップを開いても、思うように稼げない可能性があるので、まずは本業のスキマ時間を利用し、副業からECサイトを始めてみることをおすすめします。
ECサイトとネットショップのちがいとは?
「ECサイト」と「ネットショップ」は、広義には同じ意味の用語として扱われています。厳密には、ECサイトの一形態がネットショップです。なお「オンラインショップ」も、ECサイト・ネットショップと同義です。
上記の用語はすべて、インターネット上で商品・サービスを販売するしくみを指します。運営側はECサイト、消費者側からはネットショップやオンラインショップと称するのが一般的です。
開業届は必須か?
副業でECサイトを始める場合、開業届の提出は必須ではありません。ただ、ECモールなどに出店する際、利用条件に開業していることが設定されているケースがあります。必要に応じて検討し、個人事業主としてECサイトを運営するのであれば、税務署に開業届を提出しましょう。
開業によるメリットは、以下のとおりです。
- ECサイト名義の金融機関口座が開設できる
- 各種給付金が申請できる
- 小規模企業共済に加入できる
- 社会的信用が高まる
- 節税効果がある
今後本格的に事業として継続するなら、開業によるメリットは決して小さくありません。
なお、開業届には「青色申告」と「白色申告」の2通りの方法があります。青色申告には、税制上の優遇制度があるため、節税に有効です。ただし、青色申告を選択すると、複式簿記で帳簿をつける必要があり、手間がかかります。
白色申告では、税制の優遇措置は受けられません。その代わり、白色申告では、帳簿つけがシンプルで手間が省けます。ECサイト副業の収益がさほど大きくない場合や、ただ出店条件を満たすためだけに開業する方などは、白色申告を選択すると良いでしょう。
本業にバレずに副業のECサイトを運営できる?
結論として、本業にバレずに副業ECサイトを運営することは可能です。「プライベートな活動は会社に知られたくない」という方でも、安心して副業を始められます。
ただ、副業で20万円以上儲けた場合は、住民税の納付額で副業がバレてしまうことがあるため注意してください。なぜ副業がバレてしまうのかをお伝えするため、住民税の仕組みをみてみましょう。
住民税には「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。そして、会社や組織に勤める方の基本的な納税方法は特別徴収です。特別徴収では、すべての収入の合算で住民税が計算され、本業の給料から天引きされます。そのため、本業での給与計算の際、住民税の納税額でバレる可能性が高いのです。
会社にバレたくないなら、副業の住民税を「普通徴収」とし、自ら納付する形式にしておきましょう。また、同僚との会話やSNSで副業について触れたことで本業の会社にバレてしまうケースもよくあるため、話す相手には十分注意してください。
ECサイトの構築は簡単!プロセスを押さえてスムーズに副業を始めよう
ECサイト運営は、初心者やWeb制作に関する知識がほとんどない方でも気軽に始められる副業です。好きなことを商品・サービスとして取り扱い、あらかじめターゲットやコンセプトをきちんと決めておけば、運用や仕入れの際の選択に迷うことはないでしょう。
副業ECサイトを成功させるためには、効率的な運用の仕組みと効果的なWebマーケティングが欠かせません。また、2つ以上の仕事を兼業できるだけの健康管理も必須項目です。運用のノウハウやコツを学び、よりよいECサイト作りを目指しましょう。